脱ハンコ、脱FAX、ペーパーレス、等々・・・DX時代において紙を中心とした業務は一番の悪となっております。ただ現場ではまだまだ紙を中心とした業務が横行しているのも間違いない事実です。そんな紙を主体とした業務を支えているのが、事務所に冷蔵庫並に場所を取っているコピー機です。複合機とかプリンター、FAXなどそれぞれ会社様毎に呼び名は変わっておりますが、紙を出力する装置です。極端な話、この装置を事務所から無くせば一気にペーパーレス化が進みDXできるでしょう。しかし、現場からの意見を聞くと無くせないの一点張りです。何が原因なのか見ていきましょう。
原因1.お客様が紙を必要としているから
見積書・納品書・請求書・領収書等、お客様との商取引において「紙で下さい」とお客様が希望されているので紙が必要。
原因2.お客様がFAXで注文書を送付しているから
飲食店等が明日の材料仕入れに卸業者に夜間にFAXで注文し、翌朝そのFAXを見て出荷する。こんな業務が結構多いと思います。電話からFAXになっただけ間違いが少なくなったかもしれませんが、紙文書を販売管理システム等に転記して再度紙文書を発行して納品書を作成するといったコア業務を変革させるのは中々大変でしょう。
原因3.念のため紙で保管している、紙の方が探しやすい
様々な業務がPDF等で電子化出来ているが、以前パソコンが壊れてデータが消失したので念のため、紙で保管している。また、お客様毎に紙をファイリングしているので何か伝票を探すときは紙のファイリングの方が探すのに慣れている。
原因4.とにかく紙で報告しなければならない(ついでにハンコも)
稟議書や企画書、会議資料等、上司への報告資料や部下への配布資料等、メールでも渡すが印刷しても渡す資料がある。印刷した資料に書き込んだりするほうがコミュニケーションがはかどる場合もあるかも知れませんが、そのクセが組織文化となり結局紙から離れられない。
上記以外にも様々な原因は多々あるでしょうが、良く聞くペーパレースを阻害する原因です。では、どのように対応していけば良いでしょうか。今、事務所にあるコピー機がある前提で解決策を考えてみましょう。
解決策1.お客様が必要としているから
お客様が紙で欲しいと言っているというのはいつ頃の発言だったのか改めて確認する必要があります。DXが進むこの時代、実は紙でなくデータで欲しかったというお客様も多くなっているかも知れません。今一度確認してみましょう。それでも紙で欲しいお客様が多ければ、印刷コストを削減する方法を考えてみましょう。見積書・納品書・請求書等のフォーマットに空白が多ければ用紙サイズを小さくしたり、両面印刷でコスト削減を図ったり、自社控えだけはデータで保存させる等で対応するのはいかがでしょうか。
解決策2.お客様がFAXで注文書を送付しているから
FAXの注文書をそのまま印刷させるのではなく、最近の複合機はFAXをパソコンやクラウドストレージに転送して電子化する方法を備えている機械が多いです。また、電子化したデータを編集したり、AI OCR処理でデータ化して販売管理と連携させることも可能です。ぜひ、FAXを転送できるサービスをご検討ください。
解決策3.念のため紙で保管している、紙の方が探しやすいから
パソコンにデータを保存する場合は、必ずバックアップを考慮する必要があります。昨今のランサムウェアへの一番の対策もバックアップになります。また、パソコンに保存ではなく、ネットワークと接続できるハードディスク(NAS)や、クラウドストレージ(DropBOX)等に保存することで、障害対策にもなります。(NASだけの場合は危険ですので、NASのバックアップも考慮が必要です)また、パソコンに保存する際にファイル名の規則を持たせることで格段に検索が早くなり探しやすくなります。最近のコピー機にはスキャン機能も付いており、またスキャンした文書を規則に応じて適切なフォルダに適切なファイル名で保存する機能もあります。紙で保管するより、大量のデータを保管でき検索の効率化も図れます。
解決策4.とにかく紙で報告しなければならない(ついでにハンコも)
最近のグループウェアには稟議書等の承認フローが付いているサービスが多いです。まずはそれらの導入を検討してみるのがDX時代には正道でしょう。またグループウェアを連携させる複合機もあります。複合機でスキャンした領収書や見積書を添付させて承認フローを流すことも可能です。当然ハンコを押す作業は不要です。
紙が必要な業務をすべて一気にペーパーレス化は中々難しいですが、一歩づつできるところから始めることが肝心です。最近の複合機は出力装置の機能以上に、スキャンなどの入力や他サービスとの連携などの機能が豊富になっております。出力装置として必要悪として捉えるのではなく、入力装置や各サービスとのハブとして捉えて頂き、DXを進める装置として活用可能です。
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