コピー機を購入する際、営業が「リースしますか?」と尋ねてくることがあると思います。そもそもリースとは何でしょう?
またよくある質問として
「リース物件は返却しないといけないの?」
「レンタルとは何が違うの?」
など不明な事も多いと思います。で、実際リースはお得なのか、等をご説明いたします
【1】リースの定義と種類
【2】リース取引の仕組み
【3】リース契約の特色
【4】リース・レンタル・割賦の違い
【5】コピー機のリースはお得なのか?
【1】リースの定義と種類
●リースとは
「リース」とは、企業などの設備調達手段の一つで、「企業などが希望する機械設備等をリース会社が購入し、その企業に対して比較的長期にわたって賃貸する取引」です。
●リースの種類
リースはその内容により、大きく『ファイナンスリース』、『オペレーティングリース』の2種類に分かれますが、日本では、オペレーティングリースはほぼ普及していません。
なので、ここでは、 「ファイナンスリース」のことを単にリースと表記します。
ファイナンスリース(リース)
リース会社が、お客様に代わって代金を全額支払って物件を取得し、お客様に賃貸し、リース期間を通してリース料金という形で物件代金と付随する費用をほぼ全額回収(フル・ペイアウト)します。
またリース期間中での中途解約は原則として認められていません。
ファイナンスリースでは、物件の修繕・維持・保守・管理等は、原則としてお客様の負担となります。
リース会社は、機能・物質的性質、陳腐化のリスクなど、物件に関わる一切の責任を負いませんので、ご注意ください。
【2】リース取引の仕組み
リースは単なる物品賃貸とは異なり、リース契約を通じ金融機能(資金調達)を提供するものです。
リース取引は、お客様(賃借人)とリース会社のリース契約、リース会社と販売店の売買契約の2つの取引が基本となり、お客様と販売店との保守契約が伴う3者間取引となります。
【3】リース契約の特色
●リース契約の主な特色としては以下の5項目があります。
1.リース物件の選定者はお客様
リース契約の目的となるリース物件は、お客様が販売店を選定し、物件の仕様・性能・機能を決定します。物件価格、納期、販売店の性能保証を含めて、物件選択をお客様の自己責任で行います。
ですので、リース会社は物件に対する瑕疵担保責任を免責されることとなります。
2.リース物件の所有権はリース会社
リース物件の所有権はリース期間中リース会社にあり、お客様は物件の占有権、使用収益する権利のみを有します。
リース期間満了後、物件はリース会社に返還して頂くことになりますが、引き続きしようになる場合は、契約を更新(再リース)することが可能です。
(満了後も所有権の移転はありません。)
3.中途解約の禁止
リース物件は、お客様に代わってリース会社が購入したもので、その代金の金額をリーススタート時に販売店に支払っています。
ですから、リース契約は中途解約を禁止しています。
(中途での解約時には、残リース料(規定損害金)の清算が必要となります。)
4.リース物件が滅失しても残リース料を支払う
リース物件が、滅失したら、毀損により使用に耐えなくなっても、お客様はリース会社に対し残リース料(規定損害金)を支払うことになります。
(実際にはリース物件には動産総合保険が付保されていますので、保険金との差額の清算となります。)
5.お客様はリース物件の保守・修繕義務と毀損の危険を負担
お客様は自ら選んだリース物件を占有使用します。
なので、その使用運転管理についてもお客様の責任において行うことになります。
また、リース料には物件のメンテナンス、修繕費用は含まれません。
リース物件に対する保守・修繕はお客様の負担となります。
【4】リース・レンタル・割賦の違い
「リース」も「レンタル」も賃貸借という点では同じですが、利用目的、対象物件、契約期間などで違いがみられるほか、お客様(賃借人)とリース会社(賃貸人)との間の権利・義務に関する考えも異なります。
リース | レンタル | 割賦 | |
使用目的 | 比較的長期にしようする場合の機械設備の調達方法。 金銭貸借の代わりに「物件」を貸す「物融」として捉えられる。 | 「物件」の一時的な使用 | 「物件」の代金を延払いにて支払う。 |
対象物件 | 不動産、建物付属設備、 構築物を除いたほとんどの動産 (但し税務上、売買として取り扱われるものを除く) 例:OA機器や生産設備など | 特定の汎用物件 | リース対象物件及び税務上リースにできない物件や付帯する工事費用等 例:スチール製パーテーション、LAN工事 |
物件の選択 | ユーザー自身が 自由に選択する。 | レンタル会社の在庫の中から選ぶ。 | ユーザーが購入を 希望する物件等。 |
在庫 | 保有しない | レンタル会社 | 支払い完了後にユーザー |
契約期間 | 比較的長期 (通常3年から8年) | 短期 (時間・日・月単位) | 比較的長期 (通常2年から5年) |
対象者 | 特定の企業(-社) | 不特定多数 (企業・個人) | 特定の企業(一社) |
物件の所有者 | リース会社 | レンタル会社 | 支払い完了後にユーザー |
物件の管理責任 | ユーザー | レンタル会社 | ユーザー |
契約内容 | 中途解約不可 | 中途解約可能 | 一括返済不可 |
料金 | 一般的にレンタルより割安。 | リース料より割高。 | ― |
固定資産税 | リース会社負担 | レンタル会社負担 | ユーザー負担 |
動産総合保険料 | リース会社負担 (ソフトウェア等保険対象外物件有) | レンタル会社負担 | ユーザー負担 |
【5】コピー機のリースはお得なのか?
結局コピー機のリース契約は得なのか?計算してみましょう。
リース料の計算
契約金額 x リース料率 = リース月額
例)コピー機を60万円で契約 リース料率が2% 契約期間は5年(60ヶ月)
600,000円 x 0.02 = 12,000円
12,000円 x 60回 = 720,000円
720,000円 – 600,000円 = 120,000円
リースの方が支払い総額が高くなるので単純な支払い総額としてはお得ではありません。
また、中途解約できず解約したい場合は残金を精算しなければならず、リース料を払い終えても自社のモノにならない等のデメリットもあります。
それでも、リースを使う企業が多いのは以下のメリットがあるからです。
初期導入時のキャッシュアウトを抑えたい
キャッシュが潤沢であれば、わざわざリースにするメリットは無いですね。コピー機の場合は、その他に保守料金のランニングコストも発生しますのでご注意ください。
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