DX時代のFAX転送術

複合機

「脱FAX」が叫ばれる時代でもまだまだFAXが多いのが現場の状態です。最近のコピー機・複合機にはハードディスクが内蔵しているも機械も多々あります。その内臓しているハードディスクを利用してFAXをプリントアウトせずデータとして保存することが可能です。FAX自体は無くせなくても、FAXをデジタル化しコスト削減や効率化を図り、誰も見ないFAX広告で用紙代・カウンター料金を複合機のハードディスクとFAX転送機能を利用して抑えていきましょう。

今回はCANON製の複合機(キヤノン複合機iR-ADVシリーズC3500 / C3700 / C4500 / C4700 / C5500 / C5700)を例に設定方法をご案内致します。

1.複合機のハードディスクの設定(アドバンスボックス)

システム管理者としてログインします。
(初期設定はAdministrator:7654321 or 1234567でログインできます。)

(設定/登録)を押します。
[機器設定]→[ファンクション設定]→[ファイル保存/利用]→[アドバンスドボックス設定]→[アドバンスドボックスの一括設定]を押します。
<アドバンスドボックスの一括設定>で[次へ]を選択します。

<外部公開設定>で[SMBで公開]を選択、[次へ]を押します。

<SMB公開設定>で認証管理を[ON]、外部からの書込禁止を[OFF]に、保存許可ファイル形式を[すべて]に選択、[次へ]を押します。

「設定変更はトップページの「設定の反映」の操作後に有効となります。」で[OK]を押します。
(設定/登録)トップページの[設定の反映]を押し、再起動します。複合機のハードディスク設定は完了です。

2.複合機のハードディスクをパソコンから閲覧する

タスクバー[スタートボタン]を右クリックして、[エクスプローラー]を開きます。

左下[ネットワーク]を選択し、アドレスバーに「\\[複合機のIPアドレス]」を入力します。

複合機のIPアドレスは複合機カウンターボタンより確認できます。こんなボタン→

※資格情報を求められた際は設定時使用したユーザー名とパスワードをご利用ください。
今回はFAX転送になりますのでFAXを保存するフォルダを作成します。

[share]→[folder]へ移動し、新しいフォルダを作成、フォルダ名は任意なので今回は「FAX」とします。

※今後、FAXはこちらで作成したフォルダへ保存されます。作成したフォルダを右クリック[送る]→[デスクトップ]へショートカットを作っておくと、とても便利に活用できます。
※[share]フォルダは共有で使えますので、一時的にファイルを保存して他の方と共有するという使い方もできます!

3.FAXの転送先の宛先を登録する

(設定/登録)を押します。こんなボタン→

[機器設定]→[宛先設定]→[宛先の登録]→[新規宛先の登録]→[ファイル]を押します。(名称は任意なので、「FAX受信」とします。)

ホスト名に複合機のIPアドレスを入力し、[検索開始]を押します。
(ユーザー名とパスワードを求められますので、設定時使用したものをご利用ください。)

宛先が見つかりますので、[IPアドレス]→[share]→[folder]→[FAX]まで選択し、[OK]を押してください。

その後[接続確認]を押し、テストが成功したら[OK]を押して登録完了です。

4.FAX転送設定

(設定/登録)を押します。こんなボタン→

[機器設定]→[ファンクション設定]→[受信/転送]→[共有設定]→[転送設定]→[登録]を押し<転送設定:登録>を開きます。

転送条件名を入力します。任意のものになりますので、今回は「FAX受信」とします。

入力しましたら、[転送先]→[アドレス帳]を押してもらい、先ほど登録した宛先を選択してください。
(右上が[管理者用宛先表]になっている場合は、[すべての宛先表]に切り替えてお探しください。)

[受信ファイルの保存/プリント]をONにすると、転送と同時にプリントアウトするようになります。プリントアウトが必要なければOFFを選択してください。
保存形式も「PDF」「TIFF」「XPS」の中からお選び頂けます。

[OK]を押して完了です。

転送条件名を選択し[条件のON/OFF]を押し、転送をONにします。
ONにすると転送し、OFFにすると従来通りプリントアウトするようになります。

5.注意点

今回のアドバンスドボックスによるFAX受信は非常に便利ですが、昨今のパソコンと比べるとハードディスクの容量が少ないものになっています。

FAX転送のデータを保存できるのが約1,000枚となっています。こまめに整理が必要です。

空き容量がなくなりますと、FAX転送が出来なくなり、複合機の動作も遅くなります。
大量に保存されたい場合はネットワークハードディスク(NAS)という選択がございます。

この記事を書いた人
高橋 幸司

こんにちは。株式会社東洋でCIO・CISOをやってます。中小企業のDXを幅広い視野からアドバイスしています。

株式会社東洋 CIO CISO
ITコーディネーター
ITストラテジスト
情報処理安全確保支援士
IPA情報セキュリティプレゼンター
PMP

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