電子帳簿保存法やDX推進でペーパーレスが求められていても中々紙の伝票が無くせないのが現場です。ただ紙の伝票をファイリングして保管していくと、実際にはそれらの伝票の山で書庫が満杯になり置き場所に困っているのも事実でしょう。そんな時にはスキャナーを利用して紙の伝票を電子化してパソコンやサーバーに保管すれば良いと誰もが思いつく時代だとは思います。
しかし、
単純に紙伝票をスキャナーすると、スキャナーして電子化したファイルにはなんやら数字とアルファベットの文字列が付与されたファイルが出来上がりそのまま保管すると今度はうまく検索が出来ず結局紙のまま保管なんてこともあるかも知れません。
また、
紙の伝票の形状が様々でスキャナーするのに手間取ったりする事もあるかと思います。
そんな時はスキャナー専用機を利用することで、受領書や納品書といった不定形サイズの紙文書だけでなく、カードやパスポートなど厚みのあるものまでを読み込めます。さらに付属しているアプリケーションを活用することで電子化されたファイルに自動で名前をつけてくれます。実際の事例を交えDX時代のスキャナー活用術のご紹介です。
課題1:電子化作業に時間が掛かり短縮したい
受領書をスキャンして一つ一つデータを確認しながらリネーム作業を行っておられたお客様がいらっしゃいました。その作業は毎日発生し、午前中の時間を丸々費やされていたのでどうにかならないかとご相談いただきました。
紙文書をスキャンしデータ化することは検索性や省スペース化といった観点から非常に有効な手段ですが、その作業に時間が掛かっていたのでは逆に非効率な状況と言えます。
複合機のスキャナーの弱点
標準的な複合機のスキャナー機能は機械上部に付属しているの原稿送り装置に置ける紙文書はA4等の定型サイズのみとなっていることが多く、不定形サイズの受領書はガラス面に一枚ずつ置いてスキャンし、スキャンし終わったデータをプレビューで確認しながらリネームといった作業を行っていらっしゃいました。不定形の紙伝票の読み込みは複合機のスキャナーの弱点です。原稿台に不定形の紙伝票をセットして読取りボタンを押す作業では莫大な時間が発生します。
不定形サイズ混在でも読み込めるスキャナー専用機
そこでキヤノンのスキャナー専用機『DR-C240』の出番です。
この機種は読み込みトレーに不定形サイズでも最大60枚セット可能です。(原稿混在もOK)
当然ながら1枚ずつガラス面に置かずまとめて紙伝票をセットしてスキャンの時間短縮が図れます。さらに複合機(コピー機)に比べて小さな筐体ですので、デスクの横に設置すればわざわざ複合機の場所まで移動せず更に効率化が図れます。
課題2:電子化したファイル名のリネーム作業を効率化したい
もうひとつの課題が電子化したファイル名のリネーム作業です。この『DR-C240』に同梱している無償のスキャンアプリケーション「CaptureOnTouch Pro」を使えばリネーム作業の効率化が図れます。
この「CaptureOnTouch Pro」はスキャンした受領書の一部をOCR設定することにより異なる番号の受領書番号を読み取り、好きな文字と組み合わせてリネームすることが可能となります。例えば、事前に設定した『物品受領書』という文字とOCRで認識した受領書番号を組み合わせて「物品受領書_1234567.pdf」といった感じで取り込んだデータのリネーム作業の効率化が実現できます。
電子帳簿保存法改正によるデータのリネームにも活用可能
2022年1月に改正された電子帳簿保存法では、スキャナ保存制度の要件が大幅に緩和された一方、電子取引を行った場合の電子データでの保存が義務化されます。
この電子帳簿保存法をきっかけに電子化を促進していく場合、検索性の高いリネームを行っていかなくてはなりません。
例えば請求書のデータ名に【日付】【取引先名】【金額】を入れて保存する場合、取引先が決まっている会社であれば日付や金額の印字位置をOCRで指定すればリネームが簡単に行え効率化することができます。
電子化による作業を効率化し時間の有効活用とデータのルール化
「DXしろ!」号令がかかるなかで、紙文書を単純にスキャナーして電子化するだけでは、逆に非効率になる可能性もあります。そもそも電子化して検索性を高めるにはルール化されたリネームが必要となります。
しかしリネームが行われていない数字だけのデータであったり、リネームはしているがそこに非効率さが生まれているケースが実際には中小企業の現場には多々あります。
『ただ電子化しているだけ』、『しっかりやる為に時間が足りない』などの電子化困ったを、OCRなどの機能で自社に最適な電子化ソリューションの参考になれば幸いです。
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